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3軒茶屋婦人会「アユタヤの堕天使」

演劇
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好きな演劇ユニットである3軒茶屋婦人会の7回公演「アユタヤの堕天使」を見た。
5回の「ブライダル」、6回の「スワン」はどちらも東京に見に行った。
あの頃は気軽に東京まで行くことができた。今は東京が遠く感じる。

ということで、近場に来なかったら見られなかったであろうアユタヤの堕天使だ。
この会場の中に3軒茶屋婦人会を理解している方はどれくらいいるんだと勝手に気をもんでいたが、蓋を開けてみればそんな心配はいらなかった。

芸者姿の篠井さん登場シーン。会場からはどよめきが上がっていた。美しさ、身のこなし、一流の現代女形として唯一無二の存在感を放っている。深沢さん大谷さんのときは若干の笑い声が上がっていたが、そこからだんだんと客席も3軒茶屋婦人会の世界に入り込んでいくのがわかった。
篠井さんは何を着ても美しい。チャイナドレスを事故らず着こなす還暦過ぎの男性。顔がとにかく美しいのはもちろん、所作がいい女のそれ。
私は元々が篠井さんのゆるいファンということもあり3軒茶屋婦人会を見るようになった。女性を思いきり演じる篠井さんを堪能できる3軒茶屋婦人会はよい。ちなみに篠井さんのファンなのはナイトヘッドの映画を見たからだったりする。時代……。

場の空気を自分色に染めてしまうのが深沢さんなのだった。舞台に立つとにかくキュートでカワイイ。声もよく通って、演技も舞台向き。しかし深沢さんはルパパト的にはレオタードでエアロビを教える師範代なのだった。
深沢さんは確かスワンのときも帰りながらマダムがポスターを指さし「この人良かったわよねえ」などと話していたので、会場中を虜にしてしまう。
そんなこんなは今回は篠井さんでも起こっていた。やっぱりポスターの篠井さんを指さし「この人が綺麗だった人だ」と言っている人がいた。ということはあまり篠井さんを知らない人なのだろうと思う。そういう方々を夢中にさせるのは本当にすごい。

女形として慣れたものな二人に囲まれる大谷さんだが、実は大谷さんが言い出しっぺの3軒茶屋なのがなかなか良いバランス。初っぱなこそ笑いが起こってしまっていた大谷さんの女装だが、見慣れてくると(言い方……いや、普通に似合ってると思う)実に自然な女性に感じられるので、それが成り立つのが舞台の世界の面白いところ。ドラマではこうはいかない。ブライダルでは大谷さんの役が印象的だった。

最後の歌と踊りのコーナーは大熱狂。いや、ホントに熱狂という言葉どおり、大盛り上がり。3軒茶屋を知ってる自分が、マジでここまで盛り上がるの!?と思うくらいの盛り上がり。声は出せないので精一杯の拍手だが、大きな手拍子から熱気が伝わってくる。みんな美しく、ひたすら楽しい時間。もはやガッツリとレビューみたいな時間があってもいいのではと思うくらい。
カーテンコールでは一部でスタンディングオベーションも起こっていたが、いかんせん後ろを気にして日和ってしまい、自分は立てず。気持ちだけは同じように立っていたよ。

規制退場の間も、あちらこちらから絶賛の声が聞こえる。毎年来てほしいという声も聞こえてきたが、コレは毎年毎年やる舞台でもないんだなこれが。
帰宅方向も大体みんな同じになるが、やはり興奮冷めやらぬ皆さんの会話が聞こえてきて嬉しい。
これが生の舞台の良さだ。

正直3軒茶屋婦人会の舞台が、初見の方々が多い会場でここまで盛り上がるとは思わなかった。いいものはいい。面白いものは受け入れられる。そんな単純なことを思い知らされた。ほかの会場でも、3軒茶屋を知らない方々に、もっともっと見てもらいたいね。じつを言うと、東京で見た以前の舞台よりも会場に熱気と興奮があったように思う。

内容はちょっとしんみりしたり、笑ったり、考えたり。超大作、というよりはよくまとまった短編集を読んだときのような気持ち。
自由に生きたいね。

舞台っていいね。早くいろんなことを気兼ねなく楽しめる世の中が訪れますように。

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