タイトル
sweet pool リマスター版
ブランド
Nitro+CHiRAL
発売日
2018-05-25

プレイ日記

物語の感想の前に、物語以外のことを書いておこう。
ニトロのUIは相変わらず使いづらいなー。画面スッキリでなんもないのはおしゃれだけど、なにかするたびにワンアクション増えるのは結構めんどい。ショートカットを覚えろという話なんですかね。スキップくらいしか覚えられない。

予約購入したくせに、やっとパッケージをあけてプレイしましたよリマスター。
前にプレイしたのは10年くらい前になるのかな……。10年……!?!? 年を重ねると年月の流れが早くて困りますね。
PCをwin8.1に買い替えたとき、はじめに発売されたもので再プレイを試みたのだが、動かなかったのでそれ以来再プレイできず。なのでリマスターはホント待ってましたという感じだった。(そのくせに積んだ)

スイプのBGMは好きですね。あとOPもいい。プレイ当初、かのゼペットストアのメンバーが18禁ボブゲの主題歌ということでだいぶのけぞったのだよ。
一定の世代で一定の音楽ジャンルに触れてきた人ならみんなのけぞると思う。ニトロはそういうの多いですね。 VERTUEUXとか、Valentine D.C.かよっていう。
さらにいうと、ドラマダに関しては、ドラマダのキービジュ見てあれっと思ったら、さらにほにゃさんがカリガリファンという情報も見て、あー、秀仁さん来るかもなー、来るとしたらゴートとしてだろうなー、来たらどうしようと思っていた。そうしたらマジでゴートが来た。キービジュ見た印象がカリガリのメンバーっぽいだったので。実際にゴートが来たのは結構受け入れがたいものがあったのだが、なんかそのうち慣れて今はドラマダに関わってくれてありがとう♡と思っています。昔からカリガリが好きだったから、かなり衝撃的だったのよ……。自分の好きなものが交わるのは結構不思議な感覚です。そんでキラルナイトではじめて秀仁さんの歌を生で聴いたのだった。カリガリを一番聞いていた時期は若かったのでライブに足を運ぶことがなかったんですね。私は秀仁さんの歌声や作る音が好きです。なのでまあ、今となってはゴートを活動させるきっかけを作ってもらったのは良かったかな、と思っている。でも最初はやはり自分の中でモヤモヤして消化できなかった。

閑話休題。
久々にスイプをやりましたら、なんか昔プレイしたときとはちょっと印象が違ったというか、自分も年を取ったんだろうなと思った。
とくに哲雄の印象が、こりゃ無口で不器用なオカンだな……という印象に。昔はもっとシャープな印象だったというか、今より蓉司目線でプレイしていたんだと思う。
プレイ最初のころは哲雄に関しての印象はゴミの分別に厳しいオカンでしたよ。その後だんだん、感情表現が苦手なオカンだな、と印象が変化していった。結構変なキャラだなと思いますよ。
あと姫谷が萌えキャラ。男性スタッフに受けが良かったというのも頷ける。
そういや蓉司は体が弱く食も細いわりにがたいが良い。もっとほっそりしたキャラデザでも良かった気がしますがどうなんでしょうか。病弱そうに見えない。食べないと普通に痩せるものなので、蓉司の体格にはわりと疑問がある。

スイプの物語を改めてプレイして、この話は愛の話ではないなという気がした。
じゃあなんの話なんだろうと考えてみて、まあ、運命の話なのかな、と。
登場人物たちみんなが自分ではどうしようもない運命に流されて……流されるしかなくて。その中で、流されながらも、個々が流されていることを自覚したりしなかったりするんだけど、今自分が置かれている状況についてなにも考えないわけではない。むしろ一生懸命考えて、どうにか自分なりに答えを見つけようとする話かな、と思っている。
その答えが運命の中で正しいかどうかは関係なくて、自分なりに見つけた答えが、自分の中では正しいことで、どうにか理由をつけないとやっていられない状況にみんな置かれているわけで。睦しかり善弥しかり。
自分なりに考えた結果、そこにあるものは彼らの中では愛なのかもしれないし、愛じゃないかもしれないけれど、やはり抗えないものに流されてしまった可哀想な人たちの物語かな、と思ったりする。
ニトロに沙耶があれば、キラルにスイプがある、というような位置づけだと私は解釈しているが、この二つの物語は決定的に違うな、と思う。
私は沙耶は愛の物語だと思う。これも郁紀は沙耶を選ぶしかない話なんだけど、俗に言う「沙耶の唄は純愛」という言葉が私にとってはしっくりくる。
じゃあスイプはなんだろうと考えても、愛だとは思わない。なんだろうな、本当に。愛の前に、可哀想という気持ちのほうが先に来る。蓉司や哲雄の中に、互いに対する愛があったとしても、私はそれを愛だとは思えないのだ。蓉司にあまり自発性を感じないからかもしれない。哲雄に関しても、フェロモンに惑わされてしまっただけの被害者だという印象が強い。郁紀が沙耶を抱いたこと、また、沙耶が郁紀に抱かれることには自発性を感じたので、その違いだろうか。

哲雄エンド1

そんなことを考えながらまずたどり着いたのは哲雄エンド1です。
こんなに短かったかな? まとまった時間が取れてさっくりプレイできたのはよかった。
やっぱりミドルプライスくらいのボリュームが自分には合っている。
哲雄エンド1というエンディングのネーミングはビズログのVFBより。手放した気でいたので本棚で見つけてびっくりした。(定期的に色々なものを捨てる癖がある。多分突然死に備えている。多分積んでいたので攻略目当てで残しておいたんじゃないかな)
純成ちゃん誕生エンドです。
姫谷は基本的にいい人だし完全に純成ちゃんに落ちちゃった感があるんで、このまま純成ちゃんのお世話係として生きていくんじゃないかと思います。
結局教団とズブズブになりつつも、でも姫谷的には教団は嫌いで、でも純成ちゃんをほっとけなくて……という未来が待っていそう。
純成ちゃんとクリスティーと3人で仲良く暮らしている図が見たい気もする。
そう考えると一番の被害者は姫谷のような気がしてきた。

メインのふたりがアレなんでついほのぼの妄想に逃げたくなる、永遠なんてないルートでもあります。
このふたりの行き着いた先を考えると、やはり沙耶があるからこそこういう話なんだろうなという思いが強くなる。
運命を受け入れてふたりが結ばれるということは、ふたりの終わり。でも、それは世界にとってはある種の始まりである。
沙耶とスイプは物語自体は別物だなと思うのですが、沙耶がなければこういう話にならなかっただろうなと思うんですよね。
運命に流されざるを得なかったというのは蓉司も哲雄も重々承知しているんだよね。
それでも、自分の中でその運命を考えたとき、運命によって引き寄せられたにしても、個としてあなたが愛しいのだという思いを、互いに抱えていて。
愛じゃないと先に書いたけれども、ふたりの間に存在したのは恋愛とは別の意味での愛なんだよね。
でも、選ばざるを得なかった運命が私は悲しいと思うので、物語の根幹はやはり愛とは別だと感じたのでした。

善弥エンド

次にたどり着いたのはバッドエンド要員。バッドエンドにも個別のED曲が用意されているのだからキラルのゲームはリッチですね。
これが財力の違いか……。多分ボブゲ業界で一番安定して金があるのがキラルじゃないかなと思います。会社もいい場所にあるしね。(突然生々しい嫌な話をぶっ込むスタイル)
ほら、某刀のゲームとかで安定収入が得られるんでは……? そのお金で早くBLゲームも作ろう。スロウダメージどこまで進んでますのん?
某ブランドも金があるかなと思ってたらなんかあっという間に転がり落ちた感があるんですが、それは今は関係ない話なので自重します。
ED眺めていると、なんかニトロのメンツもだいぶ変わったよなーと実感。昔プレイしていた時代とは内部も様変わりしているんだろうなーと思う。
南野さんの名前がある。色々あったね。本当に。

と、物語とは関係のない話をついしてしまう。
善弥もある意味被害者で可哀想な子ではある。
善弥もこういう風に生まれなければ……普通の人間として生まれれば、もっと明るくていい子だったんだろうと思うよ。
精神が壊れてしまっているのは彼の責任じゃないよなー、と。まだ若いし。
まさしくBLのバッドエンドって感じがするエンドです。正統派なバッドエンドだと思います。

睦エンド

選択肢全部理性を選んでさくっと睦エンドへ。
基準がよく分からんのですが、カニバってのは詳しく書けないものなのですかね? カニバなんだけど決定的なことは書かず、察してくれというスタンスなのは、18禁でもカニバは自主規制するものなのか。そういやvita版ではどうなってるんだろう。(携帯機でのゲームは続かないのでやっていない)
沙耶でさえ、カニバという言葉は伏せられていたような。
睦はカニバ以上に、自分も食べ始めてしまってますね。
朔太郎のタコの詩を思い出した。たしか高校のころの教科書に載っていたやつ。
これですね。宿命の死なない蛸。青空文庫で読んでください。)
あとはカニバというとちんこを食べる会を思い出すのであった。やっぱり禁忌だよなあ。

睦は本当に被害者。ただの人間でありながら蓉司のフェロモンにやられて頭がおかしくなってしまっただけですからね。
可哀想。蓉司と出会いさえしなければ普通にまっとうな人生を歩んでいたことでしょう。
そういや睦いえば、アイス食べてるスチルのアイスの平べったさがすごく気になっていた。10年前から気になり続け、今もやはり気になった。
このアイスの元ネタはあるんだろうか。こういう平べったいアイス売ってます? 今スチルで書くならパルムになりそうだなと思いました。(どうでもいい)

哲雄エンド3

まだ攻略を見ていないので順番がバラバラ。
人として生きることを選ぶルートです。生きる……?
流されてここまできたけれど、ここで主体的に選んだ結果がこれなのでいい終わりかたじゃないかなと思います。

哲雄エンド2

いろいろ分かるスッキリエンド。
上屋のうさんくささがマックス。浅野さんの演技もいいんですよね。
当人たちの目線だと分からないことが多い話なので、こういうエンドは必要ですね。
哲雄自身は色々気づいてそうだなー。教団に監視されてんのとかも気づきながら放置してたってところじゃないかと思う。
で、とりあえず残すはグランドEDだけかな?

グランドエンド

攻略見てフルコンプしました。
攻略チャート見るの苦手なんだよな。
人間的に(人間的に?)いちばんまともなルートはこれですかね。
余韻を残してよい終わりでした。

まとめ

やっぱりキラルのゲームはどこをとってもクオリティが高くてスタイリッシュ。10年前の作品でさえそうだから、キラルのボブゲメーカーとしての意地を感じる。
もはやゲームを作ってくれると信じられるのはキラルくらいしか……と思ったけどスロウダメージ進んでますか。
立ち絵の使い方も効果的で、立ち絵の存在の違和感はない。これ、かなり画期的だと思う。
BGMもOP,EDもクオリティが高くすごいアーティストも連れてくる力がある。

私はキラルの作品で一番好きなのは咎狗なんだけど、そのベクトルとは別方面で好きなのはスイプだなーと、久々にプレイして思ったですよ。
久々のプレイで、ホントに内容忘れてた……。
覚えてたのは睦の薄っぺらいアイスと永遠なんてないという台詞くらい。
10年……まじか……。
ミドルプライスのボリューム感が嬉しい。のんびりプレイして10日くらいでした。このくらいでプレイ終えられるとプレッシャーにならなくてよい。
ほかのブランドもミドルプライスどんどん出してほしい。と言いつつ、どんどん出すほど業界が活気づいていないので寂しい限り。
これはボブゲに限った話ではなくて、アダルトゲーム全般の話ですね。色々倒産の話が聞こえてくるので寂しい。
今のおたくはPCを起動しない。

スイプの物語は宗教がらみで、そこも好みなんですよね。
怪しい宗教がらみの話は好きです。
沙耶とは共通点がありつつもやっぱり別物の話ですね。
散らばった材料を集めて別の味付けをしたら全く別物の話ができた、という印象かな。
先にも書いたけれど、最後までプレイしても私にはスイプは愛の話ではなかった。
ということでひとことで表すなら「スイプは宿命」ってところだろうか。
逃れられない運命に巻き込まれてしまった可哀想な人たちの話です。