タイトル
臆病な充電器
サークル
ハラワリ
ジャンル
女性向け(BL)ゲーム
公開日
2012-08-18

関係性を充電器と本体に例えるセンスが光っている。
人間ってままならねえな……と思いながら読み進めた。

ED回収はできても、afterが開放されないので結構苦労しました。
久々にExcel起動させてメモしながらプレイしたわよ。(いつもはすぐに攻略頼るが、攻略がないので……)

いい人だから、好きになるわけじゃないんだよね。
相手の憎らしい部分は憎らしく思うのに、それよりも好きな部分が上回ってしまうというか、一度好きだと思ってしまったら、自分自身でそれにがんじがらめになってしまうというか。
章吾のことは、ホントこいつ嫌な奴だな……と傍目には思うんですよ。
そんでもって馬谷原も自分なりの細やかな基準があり、芸術家気質でかなり変な人だし。
でもこういう関係は非常にあるあるだし、私なら「なら離れればいいよ」と簡単に言ってしまうんだけど、離れられないのが人間ってものです。
私もね、すごく好きなアーティストがいて、作る曲もセンスも大好きだし、昔はホントにホントに全てが大好きだった時期もあるし、だから今、彼の言動や行動が自分の好きからは外れていて、もうええわ、と思うこともある。でも、ステージに立っている姿を見ると、好きという気持ちがぶり返す。
私自身はわりと作者と作品を切り離して考えられないタイプなので、自己矛盾で悶々としてしまう。そんな自分の感情があるから、分かるな……と思いつつ、それが端から見るとこんな独り相撲に見えるんだな、と冷静になったり。
前橋くんだけはいい人なので癒やしだった。

ままならない感情を描き、ひとことでは言い表せない人間を書ける人はすごいなと思います。
面白かったです。
ホントままならねえな……。