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松前侑里「ラブバードを探して」

BL小説レビュー
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タイトル
ラブバードを探して
作者
松前侑里
イラスト
亀井高秀
出版社
幻冬舎ルチル文庫
出版日
2006-09-20

私、この話が元々好きで。
昔読んだときも面白かった記憶があって、でも最近昔は好きだったのに今はそうでもないという場合が多い。悲しい。
でもこれは昔の印象通りとても面白かったですよ。

エロばかり読んでいるエロ魔人と化している私ですが、たまにはこういう物語で心洗われたい。
この話の良いところは、登場人物たちがみんないい人なところです。
いい人たちが、相手を傷つけないように必死に生きている。
喧嘩別れした彼氏にできた新しい恋人は主人公の親友で。
前の彼氏の前では素直になれない理由もきちんと納得ができるものだったのも好感度が高い理由。
前の彼氏を忘れられないんだけど、親友も傷つけたくないから、奪うようなことはしない。
新しくできた彼氏はそういう部分ひっくるめて愛してくれる。けど、前の彼氏とよりを戻せそうになったら、さっと身を引いてくれて。

劇的な展開があるお話じゃないけど、登場人物たちが常識人で人を思いやる心にあふれているので読んでいて優しい気持ちになる。
どうしても好き――と言って友達から彼氏を奪うような主人公だったら好きにはなれなかった。
友達も、彼氏のことを考えて最終的には身を引いてくれたんだろうけど、それも押しつけがましくない形で。
ゆっくり年月を経て元さやに戻るところが、傷つく人を最小限に抑えられていて、読んでいてストレスがないお話です。
物語に出てくるちょっとした小物やモチーフの使いかたもうまい。

しいていうなら主人公の身の回りはゲイであふれています。
が、私はBLにおいて元々ゲイの登場人物たちであるのなら、男同士であることの葛藤はいらないと思っています。みんな好きなように恋愛すべきであって、私は悩んでいる姿をことさら読みたいわけでもない。
ヘテロがはじめて同性に恋をするお話の場合、葛藤があるべきだと思いますが、既にセクシャリティとして受け入れているのなら必要ないと思っています。
それにしてもゲイ率高くね?という部分に関しては、ゲイコミュニティの中の恋愛模様と考えるとしっくりくるのですが、そこはまあBL風にアレンジされたお話だと解釈しています。
ゲイコミュニティの中なら親友の彼氏がたまたま自分の元彼だった、というのなら展開的にも非常にしっくりくる。狭いコミュニティ内で起こったお話なんだよ、きっと。

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