- タイトル
- 古書店街の橋姫
- ブランド
- ADELTA
- 発売日
- 2016年 夏
プレイ日記
ホント面白かった。
これからプレイする人はある程度まとまった時間がある時期に一気にプレイしたほうがいいですよ。
以下2018年からのプレイ日記。
人気のある作品で、同人ゲームながらvita移植までした橋姫を、私もやっとプレイしましたよ。
DLsiteでセールの時に買ったので、2,073円でしたよ。このボリュームでこのクオリティでこんなに安くていいんですか。あとはどこにお金使えばいいですか。
とにかく正当な対価を払うべきだという信念のオタクなので、こんだけ安いと困惑してしまう。なんかすみません。いいんですか。ありがとうございます。
DLでゲームを買うのははじめてでして。正直、ディスク突っ込んでインスコして終わり、ってほうが楽だなーと思いました。分割ファイルを時間かけてDLしてインスコという流れが、結構やきもき。早く!早く!となった。(と、本編とは全然関係の無い話を続ける)
2018年の9月頭くらいからプレイしてたのだが、全くプレイできない時期がかなりあるので、私のプレイ時間というのはあてにならない。
すぐ死ぬ体質をどうにかしたい。プレイを再開させるたびにセーブデータが数か月前の日付で、絶望しながらプレイするというのが何度もあった。
再開させても、平日は全くプレイできず週末のみのプレイというのがざらな生活の中でプレイしていたので、生きていくってクソだなと思う。
なので、内容が頭から抜け落ちている部分が多々あると思われ。
そしてお話自体も結構難しいので、まあ深い感想は期待しないで、おつむが残念な人が書いた感想だと頭に留めながら読んでください。
細かい部分を把握していない。残念すぎる。自分の頭脳が。
第一話「十六橋の橋姫」
まずは1周で水上。1周目は選択肢なしで水上エンドに直行。
おおおお面白かった。
実をいうと、人気があるってこと以外、とくに事前情報もないままプレイしました。内容とかキャラとか、全然知らなかった。
途中で3日間を繰り返している時点で、あ、こういう話なんだとやっと把握する程度には何も知らなかった。
夢野久作を通ってきている人ならもっと色々分かるんだろうなー。中高生の頃に読書は色々したが、そっちじゃない方向に進んだので、久作は一切通ってこなかったのよね。(そして当時読んだ本の内容はことごとく覚えていないです)
イラストもシナリオも、くろさわさんがお一人でされてるんですよね。動画もでしたっけ? 作詞もされてますよね。狂気だ……狂気の沙汰だ……。なにゆえ天は二物を与え給うた。なにゆえ天は我を見捨て給うた。
こういうお話は知識が無いと書けないし、内容的にも頭が良くないと書けない。すごいなあ。
スチルの入り方とか、背景の使い方とか、演出とか、ものすごく目が行き届いている、贅沢なつくりのゲームだなと思いました。
これは多分おひとりでいろんなことをやられているからかと。普通はここまでできないので、こういうことができるのも同人の強みだなと。ホントにこれ、2,000円ちょっとでいいんですか。フルプライス取ってもいいですよ。よろしくお願いします。
わりとBL感は薄いので、というか、玉森くんは恋に恋するタイプではないので、BLなのに、濡れ場で妙に気恥ずかしくなった。
なんというか、覗いてすまない、という気持ちが始終。
そういうタイプの玉森くんが水上と結ばれるに当たっての気持ちの変化とか、それを行動に移す様だとかが自然で、玉森くんがきちんと生きている感があった。そこが特によかった。
水上に関しても水上がずっと水上のまま最後の濡れ場まで水上だったので、とても良かったです。(頭の悪い感想)
キャラがきちんとぶれずにキャラを貫いているというか、このキャラならこういうことがあったときにこういう考えのもとこういう行動を取るという軸がきちんとある作品はいいですね。
あと濡れ場はいろんな体位の大盤振る舞いで、さすが水上、やるな、水上らしいなと思いましたです。
そして最後の1行!!
気恥ずかしい感じに読んでいて、最後の最後に「え、ちょっと待って、今のもう一回読ませて!?!?」となっているうちにEDが流れ、ぼやーっと見送ることとなった。
にくい。最後までやられた。にくい演出だ。
第二話「悲喜劇の橋姫」
水上ルート後、プレイする時間等々がなくてかなり間があいた。
勿体ないことしたなーと悲しくなるなど。一気にがーっとプレイしたかった。
本当に時間と精神的な余裕がなくて、なんもできない日々が続いたのでプレイのモチベを保つのが大変だった。
この辺は完全に自分の都合なのでなかなか悲しい。
プレイ再開させても、どこからどういう流れで今のシーンなのかをきちんと把握できていたか謎。とくに時間跳躍で3日間を繰り返す話なので、自分が今どこにいるのか把握するのがむずいんですよね。
ということで川瀬ルート。
この人と恋愛できんの!?!?と心配していたのは杞憂でした。杞憂??玉森くんの川瀬への気持ちは果たして愛なのか。
恋愛してるのは川瀬で、玉森くんは親友にこだわっていて、でも親友のためなら何でもする、セックスもするってのがもうそれ愛ですよね、と。あ
川瀬もそれを分かってるはずで。愛のかたちというのは色々あります。
こういうキャラって私にとってなんか理解が難しいので普段は避けがちなんですが楽しくプレイしました。
第三話「紀元前の橋姫」
で、花澤ルートらしきものに入ります。
ホントなー、これずっと言ってるけど、一気にプレイしたかった。せめて2018年の内にプレイを終えたかった。
すごく面白くて、本調子ならもっとハマれたはずなんですよ。どんどん先を読みたかったんですよ。
それができない環境下にいた自分が悪くてホントなんかつらい。
名前の通り紀元前なラストでした。
ちょっとびっくり。こうきたか。
第四話「ブリキ細工の橋姫」
次は博士ルート。博士ルートが一番物語が難しく感じた……。
パラレルワールドには疎いので、概念を理解するのが難しい。というか多分読んでいても理解できていないです。
博士は可哀想な人なので、最後に幸せそうな世界の博士と結ばれたのは良かったような、でもどこかの世界に幸せではない博士がいると思うと可哀想で、なんというか手放しに良かったとは言いづらいルートだなと思ったのでした。
第五話「古書店街の橋姫」
タイトル回収。真相ルートがカオルルートです。
最後の最後にとんでもない真相が明かされたな!?!?
そうきたかー、とびっくりですわ。やられた。
BLとしてじゃなくても面白い。
なんか他のルートは悪夢みたいな部分もある物語で、それも全部計算の上だったんだなやっぱり……。
他のルートが、なんていうか同じところを繰り返して夢みたいな幻想的な部分もありつつ、突拍子もない部分もあったりで(花澤ルートとか博士ルートとか)そういうのが全部伏線だったんだろうな。
そういう、物語に感じていた違和感みたいなものが最後の最後で明かされて、あー、これホントすごいゲームだわ、となりました。
印象も一気に変わった。
と、思ったのだが公式サイトを確認したらカオルルート以外は本物なのか!!これまたびっくり。なんてこった。(普段あんまりサイトを熟読しない系)
まとめ
面白かったー!
プレイして良かった。
それぞれのルートでの感想と同じことを書いたりしているが、まあ、まとめということで。
なんだかんだと1年以上かかってフルコンプしました。途中で元号変わってんぞ。とりあえず2019年のうちに終わって良かった。
体調が悪い時期にプレイを始めてしまい、何度も間をあけながらやっと終わりました。長かった。
花澤ルートの最後あたりでやっと体調が回復して時間も取れるようになったので、そこからは一気にプレイできました。
だらだらプレイしてしまい、感想はその時々で書きためるスタイルのせいで何度もおなじことを書いてしまったり、とっちらかったものになってしまった。直すのが面倒なのでこのままで。(これでもちょっと直したけど力尽きた)
途中積みながら、気力回復のために他のミドルプライスを何本かプレイしたりもしましたが。
まとまった時間と気力を確保できないうちは長めのゲームに手を出しちゃ駄目ですね。
結局なんで途中で何度も放置してしまったかというと、このゲームの性質が自分の体調と合ってなかったというところだと思うんですよね。
基本的に3日間を何度も繰り返す話なので、先に進んでいる感覚が得られない。それは作者さんが狙ってやっていたことだとは理解している。
しかし終わりが見えなくて力尽きる……というのを繰り返してしまった。
こういう内容のゲームは一気にガツンとプレイしたほうが絶対面白いので本当に勿体ないことをしたなあと思うので、今後は気をつけたいです。
途切れ途切れのプレイなので詳しい部分はほとんど理解できていないのですよ。
博士ルートの感想でも書きましたが、パラレルワールドとか時間を遡ったりとか、そういう物語に触れてこなかったので理解の土壌がないってのもある。
すごく込み入ったお話だという印象を受けて、その込み入っていた理由というか、物語の真相を最後に明かされて、本当によくできた物語だと感心した。
それをほぼひとりで作り上げているのだから本当にすごい。(ですよね? 最近はゲームのスタッフに関しては全く詳しくない)
だが、これは多分商業で何人も関わって制作するのは難しいかもしれない。
制作チームの全員がこの作品の細部を理解するのはちょっと難しいかなと思うので。
濡れ場の体位の大盤振る舞いもひとりでスチルも描いてらっしゃるからできることのような。
普通のゲームだとどのシーンでどんなスチルをってところを詰めて作るはずなんで、ここまで色んな体位描写は避けるような。
文章のみの体位もあったけど、自然な演出でゲームとしての流れが綺麗にいっている印象。
熱量をとても感じる作品でした。
とても贅沢なゲームだった。
妥協せずとことんこだわって作ることができるってのが同人で、しかも全部おひとりで制作されているからこそできるんだろう。
キャラクターの作り込みもしっかりしていて、どのルートの濡れ場も玉森くんが玉森くんのままなところがすごくきちんとしている。
血が通ったキャラクターたちだなあと思いながらプレイしていたのでなので最後はホントあっけにとられた。
血を通わせていたのは玉森くんであったか。
あと私は久作を通ってこなかったんですよ。
登場した文学作品で通ってきたのはせいぜい乱歩と吉屋信子くらい。
乱歩はけっこう読んでいた時期があるんですが、その後は別の道に行ったのでそっちは通らなかった。なので出てきた作品が全然分からん。
その辺も通ってきていればもっと楽しめただろうなーと思う。
ホントに作者さんの知識量と熱量には頭が下がる。
この手の作品を入り口にそれらの文学作品へと行くのはもっと若いころならやったと思うけど、今の年齢だとあんまりそうはならないのだった。年を取るというのは悲しいものです。
それこそ中学生のころなんかはそういうパッションがあったのでそのころにプレイしたかったな。18禁なのでダメですが。
それ以外の全体的な感想をつらつらと。
イラストは綺麗。文章も読みやすい。
スクリプトがちょっとミスってる部分がわりとある。
セーブとロードが記録と栞表記なので何度も間違えた。選択肢が来てセーブしておこうと思ったらロード画面で前回セーブしたポイントまで戻ってしまうことが多々。
あと、タイトル画面の最初のふわっと感はちょっと余計だったかなと思ったりもする。少しだけど待たなくちゃいけないのがちょっと面倒だと感じてしまった。
声は実は苦手な方が何人かいて、最初のうちは本気で声無しでプレイしようかと悩んだけどポリシーに反するので声有りのままプレイしました。台詞は全部聞くプレイスタイルです。
まあ途中で結構慣れて気にはならなくなったかな。
へたな商業よりずっとクオリティが高くて、同人とは……となった。しかもイラストもシナリオも、なんならOPとかの作詞も動画もひとりでこなしてしまうのは、何度も言いますが本当にすごい。完成させるだけでも大変だと思う。
ということで、「早くプレイせねば」とずっと心に引っかかっていたものが片付いたので安心して年を越せるぞ。
よいものをプレイしました。