タイトル
王子様のヒミツ
作者
水戸泉
イラスト
明神翼
出版社
白泉社 花丸文庫
出版日
2011-01-20

水戸さんはグッドなのでよいですね。
失敗がないのと軽く読めるので、安心してチョイスできる作家のひとり。
王子様のヒミツは、オタク主人公の一人称で、わりかしテンション高めなので、普段だったら絶対読まない。
というか、この題材は素人が軽く手を出すと火傷するやつです。
うまいひとが書かないと滑って薄ら寒いお話になってしまう。
水戸さんはうまいので、普通にちゃんとギャグとして成立していて、声出して笑った箇所もけっこうある。
物語としては分かりやすい、まあひらたくいうと安直な部分もある。だからこそ、水戸さんみたいな人が書かないと成り立たないな、と。

水戸さんのエロは結構ニッチなので、そこも好みなんですよね。
皮描写とかね!! ほかの作家さんではほぼ見ない描写なので好き。
うまい人の一人称なら楽しく読めるのは、書き手が語り口を制御できているかどうかなのかな、と思ったりする。
たとえば一人称しか書けない人がかいたものと、三人称でも書けるけど、物語の性質上一人称を選んで書いたものでは、クオリティに差が出るよなあと、個人的には思うんですね。
うまい人は、一人称で書きつつも物語を俯瞰で眺められているんだなと、読んでいて感じるので。
ひとことで表すと、ひとりよがりじゃない、ということかも。
なので水戸さんの書いた小説は好きです。

蛇足ですが、自分の好きな本が、読書の記録的な場所では低評価で落ち込むことが多いので、人のレビューとか星評価とか、あんまり見たくないんですよね……。
レビューを書きたがる層とことごとく趣味が合わないだけなのか、自分が世間一般とはズレているのか。
読書記録としては便利なので使っていますが、本当はあまり使いたくない。(で、一時期はExcel管理などで工夫していたが、面倒で続かなかった。その点、その手のサイトは便利なんだよね)
ブクログだと、ISBN登録からそういうのを一切見ないようにして登録することが可能だったりするので、紙書籍はそれでやっている。しかし電子書籍だと、検索して登録って流れになる。困ったもんです。