- タイトル
- 君は優しく僕を裏切る
- 作者
- 剛しいら
- イラスト
- 新藤まゆり
- 出版社
- 徳間書店 キャラ文庫
- 出版日
- 2007-05-31
剛さんの話はいいですね。
剛さんのお話の登場人物は理性的な人が多くて好きです。そして話の進みも理性的というか、悪い意味でのBLはファンタジーがないというか。地に足がついていて好きです。
「君は~」2つのお話が入った短編集。
どちらのお話も良かった。
表題作は主人公の正嗣がエリートなんだけど、ビーとの関係によって裁判にまでなり、仕事を失って。
めでたしめでたし、で終われない。
正嗣とビーの間にできた溝は、これから完全に埋まることはないかもしれないけれど、その間に橋を架けたいとお互いが思い続け、お互いに歩み寄る気持ちがあり続ける限りは一緒にいられると思います。
愛し方が不器用なんだけど、真剣に愛したい気持ちが伝わってくる。
2つめのお話「愛は優しく復讐する」もとても良かったな。
ミステリ調でどんどん読みました。
結構やるせない。
男性同士が恋人関係になるだけではないBL小説は珍しい。
余韻があってよいお話だった。
挿絵は状況に合っていないものがあってびっくりした。
手錠描写を読み飛ばしたかと思って、何ページか遡ってしまったわよ。
手錠はその後のシーンで出てきました。